2025年1月
みなさん、明けましておめでとうございます。2025年がスタートしました。昨年は能登半島地震、羽田空港の飛行機事故での幕開けでした。今年のお正月は、アメリカのニューオーリンズやモンテネグロでテロや銃の乱射事件がありましたが、日本国内では大きな災害や事故もなく、仙台は天候にも恵まれ穏やかでした。皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか?
さて、一昨年の4月に始めたこのコラムも19回目です。本当に月日の立つのは早い。Janetの法則によれば「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢に反比例する」そうです。子供の頃は見るもの聞くものが新しい体験であることが多く、その新鮮さが時間を長く感じさせる、対して大人になるにつれて毎日がルーチンワークになり、感動することも少なくなるために、1日、1年を短く感じる、と言われています。なるほど、僕も年を取るごとに1年が短く感じるようになっていますね。この4月で僕が教授になって4年が過ぎます。「あっ」という間でした。残り半分の任期をつつがなく全うしよう、ではなく、仕事に限らず毎日何かに感動できるように、新しいことにも挑戦したいですね。
年末に竹内まりあをサブスクで聞いていたら、すごく良い歌に出会いました。「人生の扉」という歌で2007年にリリースされていますから、17年経ってはじめて聞いたことになります。50歳になった竹内まりあがその心情を綴った歌ですが、その中に
満開の桜や色づく山の紅葉を
この先いったい何度見ることになるだろう
という歌詞があります。ぼくも還暦を過ぎましたから、平均寿命まで後20年ちょっと。すると満開の桜も紅葉もあと20回くらいしか見ることが出来ない計算です。こうした数字を考えると、人生は有限だと強く感じます。一瞬一瞬を大事にしなければなりませんね。
君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
年齢を重ねて衰えはありますが、向上するところが少しでもあるように頑張りたいですね。
この歌の中の英語の歌詞がまたとても良いのです。そこだけ抜粋すると、
I say it's fun to be 20.
You say it's great to be 30.
And they say it's lovely to be 40.
But I feel it's nice to be 50.
I say it's fine to be 60.
You say it's alright to be 70.
And they say it's still good to be 80.
But I'll maybe live over 90.
I say it's sad to get weak.
You say it's hard to get older.
And they say that life has no meaning.
But I still believe it's worth living.
Yahoo知恵袋などによれば、以下のように訳されています。
わたしが「20歳になるのは楽しいこと」と言ったら、
あなたは「30歳になるのは素晴らしいこと」と言うし、
みんなは「40歳が素敵だ」と言うけど、
…でも50歳も悪くはないわよ。
わたしが「60歳になるのもいいんじゃない」と言ったら、
あなたは「70歳になっても大丈夫」っていうし、
みんなは「80歳になったってまだまだ大丈夫よ」と言うけど、
…でも私は90歳を過ぎても生きてくつもりなのよ。
歳を重ねて弱っていくのは悲しいことだって言えるのかもね。
あなたも「老いていくのは辛いことよね」って言うし、
みんなは「人生には何の意味も無いのよ」って言うけど、
…それでも私は「生きることは素晴らしいこと」だって信じているの。
自分の61年の人生を顧みると、各年代いろいろなことがあって、それぞれに楽しかったと思います。でも、「あのときは良かった」と過去を振り返るのは好きではありません。
僕が好きなマンガ「MASTERキートン」(勝鹿北星作、浦沢直樹画)の中に「穏やかな死」という作品があります。スコットランドの92歳のお爺さんが、IRAの爆弾犯に「そんなに長く生きてきて、人生でいつが一番楽しかった?」と聞かれる場面があります。お爺さんは、「・・・今だな。」と答えます。「本当に楽しい人生だった。これからもずっと楽しいに違いない」。今が一番楽しい。そう言えるためには、毎日を惰性で過ごしてはいられません。何歳になっても「今が一番楽しい」と言えるような、そんな人生を送りたいと思います。そのために、今年も毎日一生懸命、仕事もそれ以外も頑張ります。皆さんも年末に振り返ったときに、充実した一年だったと言えるように、日々をお過ごしください。「生きることは素晴らしいこと」ですから。
2025年1月1日 相澤 俊峰