2026年7月
このコラムを書いている7月23日時点ではまだ仙台に梅雨明けは宣言されてはいませんが、今週から「なんじゃこりゃ」という暑さです。仙台でも猛暑日を記録していますが、東海地方や埼玉県北部では40℃以上の酷暑日だそうです。一昨日は外気温が高いためか、医局のエアコンが効かなくなり、秘書さんたちが扇風機を借りてきました。近年の日本の夏の暑さは、地球温暖化による強い高気圧の長期滞在、都市部のヒートアイランド現象、赤道付近から南米沿岸の海面気温が低くなるラニーニョ現象(対側の日本付近に暖かい海水が集まる)などが原因と考えられています。宮城県でも7月21日に61人の熱中症患者が救急搬送されたそうです。みなさん、水分塩分をまめにとって、なんとかこの夏を乗り切りましょう。
さて、夏といえば今年は4年に1回のサッカーワールドカップ(W杯)の年で、7月20日(日本時間)に決勝が行われましたね。アメリカ、カナダ、メキシコの北中米3カ国開催でした。それにしてもトランプ大統領の出たがり屋、目立ちたがり屋にも困ったものですね。スポーツにまで横槍を入れるやり方はどうでしょうか?自国のエースが出場停止を喰ったからって、その執行を延長させるなんて聞いたことがありません。FIFAの会長にはもっと毅然とした態度をとって欲しかったですね。トランプ大統領には中間選挙で民主党に大敗し、残り2年はレームダックになって欲しいものです。
僕はサッカー部ではないし、サッカーのプレー経験もないのですが、W杯は1982年のスペイン大会からずっと見てきました。確かこの年に、NHKが初めてW杯の本格的な放送を始めたのだと思います。その3年前にワールドユース(現U-20 W杯)が日本で開催されました。日本の10番が仙台向山高校の鈴木 淳選手でテレビ中継もされました。大会はマナドーナとのちに横浜マリノスに入りJリーグの初代得点王になるラモン・ディアスがレベルの違うプレーを見せてアルゼンチンが優勝したのですが、これを見てかなりサッカーに興味を持ちました。1982年は各国のスーパースターが出てきた大会で大変に面白く、ドラマチックでした。優勝したイタリアには大会得点王のパウロ・ロッシ、準優勝の西ドイツにはミスターヨーロッパと呼ばれたカール・ハインツ=ルムメニゲ、3位のポーランドのボニエク、4位のフランスの将軍ミシェル・プラティニ、そのほかにもマラドーナ、ケンペス、パサレラのアルゼンチン勢、そしてブラジルの黄金の中盤:ジーコ、ソクラテス、ファルカン、トニーニョ・セレーゾ、先日亡くなったイングランドのケビン・キーガン(負傷で少し交代出場しただけでした)・・・。日本リーグのサッカーは全然面白くなかったのですが、テレビで見るW杯の試合には「ドキドキ・ワクワク」がいっぱいでした。
1986年のメキシコ大会は大学生でしたので、心ゆくまで見ることができました。クラスメートとトトカルチョのようなこともしました。この大会はよく言われるように「マラドーナのマラドーナによるマラドーナのための」大会でした。前回大会のスーパースターたちが揃って下り坂で、ローター・マテウスのようなニュースターはまだ力不足、マラドーナ1人が突出していた様に感じました。あれから40年。その間には毎回のようにドラマがありました。僕は1979年のワールドユースから「アルゼンチン推し」ですから、アルゼンチン中心に毎回楽しみに見てきました。1990年のブラジル戦でのマラドーナのカニーヒアへのラストパス、1994年のギリシア戦の流れるようなパスワークからのマラドーナの強烈なシュート、そしてドーピング違反での大会追放、1998年のイングランドのマイケル・オーエンの速さとオランダのベルカンプの「神トラップ」(いずれもアルゼンチン戦)、2002年の日韓大会は医局長の立場を利用してエスコートドクターとして宮城スタジアムで3試合を見物できました。バティステゥータの顔がとても小さいこと、ベンチで弥次って退場処分を受けたサプライズ招集のカニーヒア(何しに来たの?)、2006年はメッシのデビューとペケルマンチルドレンの美しいパス回し、2010年は監督マラドーナのライン外での素晴らしいトラップとドイツ戦のボロ負け、2014年は決勝でゴンサロ・イグアインのシュートミスでの敗戦、2018年はトーナメント1回戦のフランス戦でのモロ打ち合いとパヴァールの強烈なロングシュート、そして2022年はこれまで見た中で最高の決勝戦とメッシの戴冠。若い頃に比べ思い入れは少なくなりましたが、やはりこの時期になるとワクワクするし、今年も何回かは4時、5時に起きてテレビに齧り付きました。
では今回のW杯はどうだったでしょうか?参加国が32から64に増えたことで、確かに一次リーグではレベル差がある試合が見られました。ただ、そのおかげで各国のエースがいい具合にウォーミングアップができたのか、その後みんな期待通りの活躍をしてくれました。これだけエースが額面通りに点をとった大会も珍しいのではないでしょうか。ビッグネームで期待外れはCR7とネイマール(ケガによる試合不足のせいかもしれません)くらいですね。アルゼンチンは決勝トーナメントに入ってから、ハラハラドキドキの試合を4試合見せてくれました。ただ、あの勝負強さはなんでしょう?1点、2点のビハインドを終盤で逆転する強さ。マリーシアな(ずる賢い)プレー、ラフプレー、泥臭いプレーもするし、メッシをはじめとする「これぞスター」というようなテクニカルなプレーも見せ、最後は勝つ。見ていて楽しかったですね。その意味では決勝はスペインに完敗でした。1990年のアルゼンチンは決勝戦は出場停止が4人もいて(エース格のカニーヒアまで準決勝で要らぬハンドでカード→出場停止)、90分でマラドーナのフリーキック1本しかシュートがなかったと思いますが、今回はそれ以下で90分でシュート0本でしたね。まあ、延長戦続きだしメッシの分をみんなで走って疲れていたし、メッシはなんといってもアラフォーですからね。それにしてもスペインは上手でしたね。
今回のW杯では日本は優勝を目標にしていると宣言していました。勿論やるからにはみんな優勝を目指すわけですが、世界との差はまだまだ大きい。むしろ前回の方が勢いがあったように思います。グループリーグとは言え前回はスペインに勝てました。10回やれば1−2回勝てる、その1回がW杯で来た感じです。でも今回のスペインには、日本は逆立ちしても勝てそうにありません。三苫と南野選手の穴は大きかったですね。この4年で両チームは差が開いたと思います。4年後、日本代表はどのような姿を僕達に見せてくれるでしょうか。
10代からW杯を見始めて次回で約50年です。あと何回見られるでしょう。4年に1回だとあと4−5回ですかね(寂しいですね)。次回2130年大会は日整会じゃないけどW杯100周年で、スペイン・ポルトガル・モロッコの共催+第1回が行われたウルグアイとその決勝の相手アルゼンチン、そしてエドアルド・吉崎先生の故郷パラグアイで、合計3試合を行うようです。次回はまだスペインの黄金時代でしょうか。あるいはエムバベのフランスが巻き返すか、ブラジルの復活はあるのか、メッシは出るのか、日本は決勝トーナメントの初戦を勝てるのか、などなど見どころは一杯です。これから楽しみに待つことにしましょう。2130年は僕も大学を退職していますから、のんびり家でテレビを見るか、もしかしたらスペインにサッカー見に行っているかもしれませんね。
おまけ:
https://news.ntv.co.jp/category/sports/cf77f8f0c1334a98b4cb666c18319a8c
https://www.vietnam.vn/ja/messi-noi-ve-buc-anh-tam-cho-yamal
なんという運命でしょう?19年前のユニセフの企画で生後半年のヤマルを入浴させるメッシの話(右)には目がウルウルしてしまいました。右の赤ちゃんが19年後にW杯決勝で自分たちを破るチームのエースになる(左)なんてメッシはこの時思いもしなかったでしょうね。
相澤 俊峰