各グループの基礎・臨床研究
肩関節グループ
1)臨床研究
- CTおよびMR画像(大阪大学との共同研究)を用いたglenoid trackに関する研究
- 初回脱臼後の至適外転角度の研究
- 肩関節術後の静脈血栓の発生率の調査
- Ultrasound elastography(※1)を用いた肩腱板筋腱の年齢的変化
- WOSI (Western Ontario Shoulder Instability Index)の妥当性の検証
2)基礎研究
- 3次元有限要素法を用いた骨軟部組織の応力・強度解析(※2)
- 骨嚢胞存在時のスーチャーアンカー刺入位置と引き抜き応力
- PET(ポジトロン放射断層撮影)を用いた肩運動の筋活動解析
- ニコチンによる腱細胞への影響(医工学部との共同研究)
- 屍体肩を用いた肩バイオメカニクス
- 超音波を用いた組織弾性計測機器の開発(医工学部との共同研究)
- ホルマリン固定標本を用いた肩関節の解剖学的研究

※1:健常人の肩棘上筋腱のultrasound elastographyの画像 赤色は柔らかく、青色は硬いことを意味する。
※2:有限要素法による上腕骨近位端骨折のシミュレーション
脊椎グループ
- 慢性脊髄圧迫の病態に関する実験的およびバイオメカニクス的研究
- 脊髄の力学特性と脊髄内応力に関する研究
- 頚髄症における脊髄造影効果に関する研究
- 脊髄腫瘍の診断と治療
- 中高齢脊柱変形患者における筋疲労と脊柱アライメントに関する臨床的研究および手術、保存療法
- 脊髄急性損傷の病態と治療法に関する研究
膝関節グループ
膝関節グループでは、臨床研究として術前MRIから患者個人に合わせてカスタムメイドで手術器械を作成する人工膝関節カスタムカッティングデバイスの臨床応用に関する研究、人工関節手術時に使用する骨鋸の前向き比較試験、前十字靭帯再建術後に発生する関節症性変化に関する多施設共同研究、変形性膝関節症の進行に対する半月板断裂形態の関与を明らかにする研究などを行っている。基礎的な研究としては、人工関節の力学に関する3次元有限要素法を用いた研究、下肢骨形態に関する研究、前十字靭帯再建術の治癒促進に関する動物実験などを行っている。
股関節グループ
東北大学金属材料研究所が新たに開発した高機能チタン合金の生体適合性を評価している。金属表面への骨新生に適した表面加工の研究も行い、将来の新しい人工関節の開発を行っている。
リウマチグループ
- 関節リウマチに対する生物学的製剤5剤の臨床成績と継続率の検討
- 生物学的製剤を使用する関節リウマチ症例の臨床的評価方法の検討
- 関節リウマチやリウマチ類似疾患に対する超音波診断および治療効果の検討
- メトトレキサート効果不十分な高齢関節リウマチに対するミゾリビン連日単回併用投与の有効性評価
- 掌蹠膿疱症性骨関節炎、乾癬性関節炎、慢性再発性多巣性骨髄炎、SAPHO症候群の病態解明および治療法の確立
- 脊椎関節炎に対する免疫抑制治療の検討
- 関節リウマチ症例に対するDMARDs治療の臨床効果の検討(長崎大学との共同研究)
骨代謝グループ
1)基礎研究
- ラットを用いた背筋の脂肪化の動物モデル
- 筋細胞の分化にビタミンDが与える影響に関する研究
2)臨床研究
- 背筋力にビタミンDとその誘導体が与える影響に関する研究
- アロマターゼ阻害薬による続発性骨粗鬆症に関する研究
腫瘍グループ
1)基礎研究
- 骨・軟部腫瘍の細胞培養系の確立
- 骨軟部腫瘍における性ステロイドレセプターの発現
- 骨欠損に対する新規骨補填材料の開発
2)臨床研究
- 骨腫瘍摘出後の骨欠損に対する人工骨移植
- 骨軟部腫瘍における血液生化学検査の有用性
- 原発性骨腫瘍におけるビスフォスフォネート製剤の有用性
3)共同研究
JCOG(Japan Clinical Oncology Group)の骨軟部腫瘍グループに所属し、下記の臨床試験をおこなっている。
- 高悪性度非円形細胞軟部肉腫に対するIfosfamide, Adriamycinによる術前術後補助化学療法の第II相臨床試験 (JCOG0304).
- 骨肉腫術後補助化学療法におけるIfosfamide 併用の効果に関するランダム化比較試験 (JCOG0905)
その他の研究プロジェクト
- 骨形成因子発現ベクターのエレクトロポレーションを用いた非ウィルス的遺伝子導入による骨軟骨組織再生
- 軟骨の滑動に関与するルブリシン(SZP)の発現調節に関する研究
- 超音波骨折治療器に関する研究
- 温浴が関節軟骨のルブリシン発現に与える影響の研究:温泉に入ると関節痛が和らぐのはどのようなメカニズムなのか?さまざまな条件でラットを温浴させ、膝関節軟骨に発現するルブリシンをRT-PCRにて測定している。
- 大腿骨頚部・転子部骨折術後高齢患者の急性期から回復期リハビリテーションまでの前向きコホート研究 -自宅退院までの在院日数に与える因子の多変量解析、自宅退院可能となる家族構成人数のカットオフ値の検討-