東北大学整形外科学教室

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ご遺体を用いた研究について

2020年01月10日

当教室ではご遺体を用いて以下のような研究を行う予定としています。

1 肩関節脱臼時に生じる骨欠損および手術手技の安定化機序の解明

肩関節脱臼は人体の中で最も脱臼しやすい関節です。脱臼した際に骨の欠損が生じることが知られています。骨の欠損が大きい場合は内視鏡手術の対象となりません。どの程度の大きさの骨欠損が存在すると治療が必要なのかをこの研究では明らかにします。また、現在行われている手術によってなぜ安定化が得られるのかを明らかにします。肩関節を特製の装置に固定して徒手的に脱臼され脱臼を模擬します。脱臼の様子はレントゲン透視で観察します。また関節鏡で関節内の観察も行います。骨欠損ができた場合はどの程度の大きさのものができたか確認します。不安定な肩ができた場合、現在行われている手術(鏡視下バンカート修復術、Latarjet法)を行い、安定性が得られているか確認します。

2 人工股関節術後における軟部組織の役割の解明

高齢化社会に伴い人工股関節の手術を受ける患者さんは年々増加しています。一般的に股関節は脱臼しにくい関節ですが、人工股関節になると術後に脱臼することがあります。脱臼を起こす要因としては、人工関節の機種や設置角度不良などが挙げられていますが、股関節周囲の筋肉や靱帯といった軟部組織の影響が近年言われています。しかし、股関節周囲の軟部組織が人工股関節術後の安定性にどの程度関与しているか、十分に明らかにされていません。

この研究では人工股関節を設置した後に関節内へ造影剤を注射して、レントゲン透視で脱臼するまでの軟部組織の動きを観察します。人工股関節術後の軟部組織の動態を把握することができれば、人工股関節の安定性を高めるための有用な情報を得ることが出来ると考えられます。