東北大学脊椎外科懇話会のご紹介

 私たちの懇話会は昭和62年(1987)に発足しました。すでに四半世紀を超える歴史があります。東北大学整形外科とその関連病院の脊椎手術を専門とする医師と脊椎疾患に関心のある整形外科医が集まって運営しています。

 受診する病院ごとに診察の仕方や検査法、診断の基準が違い、さらに手術が望ましいと考えられる病状の範囲(手術適応と呼ばれます)と手術法が違うとしたら、患者さんはどうしたら良いか迷うことでしょう。

 懇話会の第一の目標は、人口約400万人の診療圏に脊椎疾患の高度で安全な、しかも成績の良い診療を提供することです。そのために、勉強会を定期的に開いて一緒に学び、情報・意見交換し、セミナーによって若手を育成しています。さらに共同研究を行って脊椎外科の進歩に貢献しています。そうすることで懇話会の先生方の診療は自然と標準化、統一されています。

 私たちの手術法は5つのLの基本思想に基づくものです。

 1.Less Invasive 患者さんの身体に負担の少ない
 2.Less Complicated シンプルな
 3.Less Fusion 脊椎固定をしない
 4.Less Metal Works 体内金属を使わない
 5.Less Expensive 低医療費の手術

 懇話会は昭和63年(1988)以来、毎年、関連病院に脊椎手術の登録をお願いしています。最新の平成29年(2017)は33病院で4,600件の手術が行われました。それらのうち、7病院が200件以上でした。内訳は頚部脊髄症が約20%、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄法がそれぞれ約30%でして、これら3つの疾患で全体の80%以上を占めます。特に、腰部脊柱管狭窄法の手術が増え続けていて、しかも50%以上が70歳以上の高齢の患者さんになっています。

 ときに、上位頚椎や胸椎の疾患、脊柱側弯症、脊椎・脊髄の腫瘍などの頻度が低く、しかも複雑な手術が必要である場合、あるいは病院のスタッフと設備の具合が十分でない場合があります。そうした場合には、それぞれを専門とする脊椎外科医に紹介してもらえます。

 勿論、手術を受けずに済むのが理想です。その点で、懇話会は手術によらない治療である保存療法の研究も懸命に行っています。

 懇話会の先生方の病院であれば、どの病院を受診しても、安心頂けるはずです。

 

国立病院機構 仙台西多賀病院
脊椎脊髄疾患研究センター
センター長 国分 正一
(東北大学名誉教授)

 

〒980-8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1 TEL 022-717-7245