2025年4月1日より東北大学大学院医学系研究科スポーツ医学・運動機能再建学寄付講座が開設され、その責任者を務めさせていただくことになりました。
本講座の活動は主に、スポーツ医学、疼痛、医療インプラントの開発など臨床研究および基礎研究、そして手術手技研修などの教育活動を柱としています。臨床研究は肩関節、膝関節、足関節、スポーツ障害などを中心に行なっていきます。
基礎研究は生体力学、画像研究(MRI、CT、PETなど)、疫学調査、動物実験などです。肩外科医の育成のためにドライモデルでの練習、遺体を用いた手術手技研修、トレーニングセンター病院での実地修練などを行いたいと思います。
本寄付講座の構成員は上肢グループとスポーツグループからなります。上肢グループは私の他に有野敦司特任助手(本講座兼任)、大学院生4人(木村礼、佐々木一真、鯉淵優介、菅原渉瑚)からなり、スポーツグループは秋 貴史助教(本講座兼任)、大学院生1人(谷田智一)、永元英明非常勤講師からなります。当院リハビリテーション部の運動器専門理学療法士とも連携をとり、運動器リハビリにも力を入れていきたいと考えております。
最後に、本寄付講座開設にあたりご尽力いただいた相澤俊峰教授ならびに多大なるご支援をいただいた井樋栄二名誉教授に深謝申し上げます。また、開設にあたって資金提供いただいた一般財団法人整形外科手術スキルトレーニングセンター、一般財団法人竹田健康財団、医療法人松田会松田病院、医療法人本間記念東北整形外科病院に深謝いたします。
2025年4月
山本 宣幸
近年、国民の健康志向の高まりに伴い、高齢になってもスポーツを楽しまれる方が多くなりました。一方で、小学校低学年からの競技スポーツも盛んです。また、仙台市にも野球、バスケットボール、サッカーを始め、多くのプロスポーツ団体ができました。これらスポーツに関わる全ての皆様、裾野からトップまで、に適切な医療を提供したい、と私たちは考えています。しかし、大学あるいは大学病院は高度先端医療に取り組むという特定機能病院の役割もあり、スポーツ選手、愛好者に対し必ずしも十分な医療を提供できていません。加えて、スポーツでの怪我や障害は医学的な証拠(エビデンス)に基づいた予防が何より大切です。スポーツ医学には検診などにより早期に怪我や障害を発見すること、エビデンスのある予防法を構築することが求められます。これらの目標達成のためには、整形外科学教室とは別の組織が必要と考え、本寄附講座を立ち上げました。
責任者を務める山本宣幸教授は、肩関節外科、とくにバイオメカニクスでは世界的に有名な先生であり、これまでも楽天球団をはじめ多くのスポーツ検診を行ってきました。東北大学の整形外科学教室とも緊密に連携しながら、診療圏のスポーツ医学のレベル向上に貢献してくれるものと期待しています。東北大学整形外科スポーツ医学・運動機能再建学寄附講座をどうぞよろしくお願いいたします。
2025年4月
東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座整形外科学分野教授
相澤 俊峰